COLUMN
サロンの安売りをやめる方法|激安サロン10年から「予約の取れないサロン」に変わった講師の話
開業・サロン経営
2026.09.25
サロンの安売りをやめるには、値札を上げる前に「誰に何を届けるか」を決め、メニューを絞ることが先です。激安サロンを10年続けた講師は、ひとつのメニューに絞り、顧客ゼロから3ヶ月で予約が埋まるサロンに変わりました。
「朝から晩まで施術しているのに、手元にお金が残らない」
「値上げしたら、今のお客様が離れてしまいそうで怖い」
「クーポンサイトの割引をやめたら、予約が入らなくなるのでは」
個人サロンを運営していると、こうした不安がつきまといます。
本記事では、安売りから抜け出せなくなる仕組みを整理したうえで、価格を上げる前にやること、実際に激安サロンから「予約の取れないサロン」へ変わったAGO講師の実例をご紹介します。
なぜサロンは安売りから抜け出せなくなる?
単価が低いほど、必要な施術数が増え、考える時間がなくなるからです。忙しさそのものが、値上げの検討を先延ばしにさせます。
仮に手元に20万円を残したいとします。経費を差し引く前の単純な計算でも、単価によって必要な人数はこれだけ変わります。
| 施術単価 | 売上22万円に必要な人数 | 1日1枠なら |
|---|---|---|
| 3,000円 | 約74名 | 月74日分=不可能 |
| 6,000円 | 約37名 | ほぼ毎日フル稼働 |
| 11,000円 | 20名 | 月20日稼働 |
| 22,000円 | 10名 | 月10日稼働 |
単価が低いと、体力の限界が売上の上限になります。そして疲れていると、新しいメニューを考えたり、発信を整えたりする余力が残りません。安いから忙しい、忙しいから変えられないという循環です。
さらに、割引をきっかけに来店した方は、次も割引を探して別のサロンへ移りやすい傾向があります。集まるお客様の基準が「安さ」になってしまうと、値上げは一層こわくなります。
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安売りの本当の原因は、価格表ではない?
多くの場合、原因は「自分の技術に値段をつけられない気持ち」にあります。金額そのものより、受け取ることへのためらいが価格に表れます。
AGO講師の今川ちかさんは、自身の歩みをこう振り返っています。
この自己肯定感の低さから安売りしかできず自転車操業の激安エステサロンを10年経営し朝から晩までサロンに缶詰めで働いて、それでも手元に残るお金はほんのわずかで、時間にも心にも余裕がありませんでした。
今川ちか講師
「自分なんかがこの金額をいただいていいのだろうか」という気持ちがあるうちは、価格表だけを書き換えても、説明の場面で言葉が弱くなります。逆にいえば、自分が何を提供しているのかを言葉にできれば、価格は自然と決まっていきます。
値上げの前にやることは?
順番は「誰に」→「何を」→「いくらで」です。この順で決めると、値上げは値札の変更ではなく、サロンの作り直しになります。
① 誰に届けるかを1人に絞る
「30代〜50代の女性」では広すぎます。年齢・生活・悩み・その方が使っている言葉まで具体的に書き出すと、発信の言葉が変わります。全員に向けた案内は、誰の心にも届きにくいものです。
② メニューを増やさず、むしろ絞る
メニューが多いほど「何でもできる人」に見え、選ぶ理由がぼやけます。「この悩みなら、このサロン」と思い出してもらえる1つに絞るほうが、単価は上げやすくなります。
絞ることは、お客様を減らすことではありません。選ばれる理由を1つにする作業です。
③ 施術の前後にある時間を設計する
カウンセリングで悩みを言葉にしてもらう、施術中に何をしているかを伝える、終わったあとにご自宅でできることをお渡しする。お客様が受け取っているのは施術の時間だけではありません。前後の体験まで含めて設計すると、価格の根拠が生まれます。
④ 価格を決め、伝え方を用意する
新料金は、既存のお客様へ事前にお知らせします。「いつから」「いくらになるか」「なぜ変えるのか」を先に書いておくと、当日に迷いません。
なお、コース契約や回数券を扱う場合は法律上のルールがあります。エステティックでは、期間が1か月を超え、かつ金額が5万円を超える契約は、特定商取引法の「特定継続的役務提供」にあたり、概要書面・契約書面の交付やクーリング・オフ、中途解約のルールが定められています(消費者庁「特定商取引法ガイド」)。高単価に移行するときほど、契約まわりの確認が欠かせません。
高単価にしやすい技術の条件とは?
「その人にしか頼めない」「変化を実感してもらいやすい」「経費がかからない」の3つがそろう技術ほど、価格を保ちやすくなります。
AGOセラピストスクールで学べるのは「整顔」という考え方の手技です。整顔とは、「顔の歪みは身体の歪みの集大成」という考えのもと、全身約260個の関節に生じる歪みを整えることで、顔など見た目の印象を整えることを目指す手技です。AGOメソッドは、特に顎関節を含む顔の下半分のバランスを整えることに重点を置いた、やさしい手技です。
感じ方や変化には個人差があり、医療行為や治療ではありません。
| 条件 | 価格への影響 |
|---|---|
| 提供できる人が限られている | 近隣の価格に合わせる必要がなくなる |
| お客様自身が違いを感じ取りやすい | 次の予約につながり、割引に頼らずに済む |
| 機器や材料が要らない(オールハンド) | 経費が抑えられ、値下げ圧力を受けにくい |
| 説明できる理論がある | 金額の根拠を言葉で伝えられる |
AGOメソッド®︎の施術は、1時間程度で22,000円からの設定です。オールハンドで機器が不要なため、自宅開業なら月々の経費は0円、利益率は90%以上。1日1枠・月10名で売上22万円、手元に約20万円が残る計算になります。
※金額は一例のシミュレーションです。実際の収入は地域や活動状況によって異なり、収入を保証するものではありません。
講師の実例:激安サロン10年から「予約の取れないサロン」へ
AGO講師の今川ちかさんは、美容部員・エステティシャンを経て30歳で独立。その後10年間、東京で激安エステサロンを経営していました。
転機になったのは、AGOスクールとの出会いと、お母様のご病気でした。今川講師は東京の激安サロンを手放し、地元・新潟へ移転。そこで選んだのが、メニューを絞るという決断でした。
自分の価値を打ち出すことでAGOひとつのメニューで高単価でも顧客ゼロからたった3ヶ月で3ヶ月先まで予約が埋まる予約が取れない人気サロンになりました。
今川ちか講師
現在は「美人Eラインフェイシャル®」の考案者・横顔美人専門家として、東京青山と新潟でEライン専門サロンを経営し、月商200万円の人気セラピストとして活動しています(講師紹介ページ)。
注目したいのは、移転先が東京より人口の少ない新潟だったことです。立地でも値段でもなく、「誰に何を届けるか」を決めたことが転換点になったといえます。
成果の出方には個人差があり、誰もが同じ期間で同じ結果になるわけではありません。
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▶ 関連記事:ひとりセラピストという働き方|小顔ではなく「整顔」で高単価、ママが午前中だけで月20万円を目指せる理由
値上げでお客様が離れたらどうする?
一定数は離れます。そのうえで、残った方と新しく来てくださる方で成り立つ設計にしておけば、売上は下がりません。
単価6,000円で月37名を施術していたサロンが、単価22,000円に変えたとします。必要な人数は月10名です。3割の方が残ってくださるだけで、施術数は大きく減り、売上は保てる計算になります。
- 一度に全部を変えない:新メニューを新価格で追加し、既存メニューは期限を決めて残す
- 先にお知らせする:1〜2ヶ月前に案内し、旧価格で予約できる期間を設ける
- 理由を短く伝える:値上げの背景より、これから何が変わるのかを伝える
- 空いた時間を発信にあてる:施術数が減った分を、新しい出会いをつくる時間に使う
AGOセラピストスクールでは、技術だけでなく、ペルソナづくりや集客、サロン運営まで在籍中に実践します。修了後もフォローアップ(月1万円・税別)があり、約8割の方が継続しています。価格を変えるときに相談できる相手がいることは、実行のしやすさに直結します。
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よくある質問
値上げは何%くらいが目安?
決まった目安はありません。「何%上げるか」ではなく「このメニューをいくらで提供したいか」から決めるほうが、説明しやすくなります。今のメニューの延長で少しずつ上げるより、届ける相手と内容を決め直して新しい価格をつけるほうが、結果的に納得を得やすいことが多いものです。
クーポンサイトの掲載はやめるべき?
やめる・続けるの二択で考えなくて大丈夫です。割引の幅を小さくする、初回限定にする、次回の予約につながる導線を用意するなど、使い方を変える方法があります。割引を「来店のきっかけ」にとどめ、継続の理由にしない設計が大切です。
地方でも高単価のサロンは成り立つ?
成り立ちます。今川ちか講師は、東京の激安サロンを手放して地元・新潟へ移り、ひとつのメニューで予約の取れないサロンをつくりました。人口の多さより、「その悩みならこの人」と思い出してもらえるかどうかが効いてきます。近隣に同じ技術のサロンが少ない地域ほど、選ばれる理由をつくりやすい面もあります。
回数券やコース契約を始めるときの注意点は?
法律上のルールを先に確認してください。エステティックでは、期間が1か月を超え、かつ金額が5万円を超える契約は特定商取引法の「特定継続的役務提供」にあたり、概要書面・契約書面の交付、クーリング・オフ、中途解約などの規制があります。誇大な広告も禁止されています。詳しくは消費者庁「特定商取引法ガイド」をご確認ください。
まとめ:安売りをやめるのは、値札を書き換えることではない
安売りから抜け出せないのは、努力が足りないからではありません。単価が低いほど忙しくなり、考える時間がなくなるという仕組みに、はまってしまうからです。
抜け出す順番は、「誰に」を絞り、「何を」を1つにし、そのうえで価格を決めること。今川ちか講師が激安サロンの10年から抜け出せたのも、立地や値段ではなく、自分の価値を打ち出すと決めたからでした。
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参考情報
- 消費者庁「特定商取引法ガイド:特定継続的役務提供」