COLUMN

育ててもらえない職場で、人はどこで育つのか|アベプラ「育成キャンセル」を見て

働き方

2026.09.28

ABEMA Primeが取り上げた「育成キャンセル」を入口に、育ててもらえない職場で人はどこで育つのかを考えます。AGOの講師と、実際に学んだセラピストの言葉から、今日ひとつだけできることをお伝えします。

「最近、仕事で何かを教わった記憶がない」
「聞きたいことはあるけれど、聞いていいのか分からない」
「気づけば何年も、同じところにいる気がする」

そんな感覚が少しでもある方に向けて書きました。

アベプラが取り上げた「育成キャンセル」とは?

ABEMAの報道番組「ABEMA Prime(アベプラ)」は、2026年9月25日(金)の生放送回「Z世代こわい?育成キャンセル界隈」で、このテーマを扱いました。翌9月26日には、その一部が公式YouTubeチャンネルで「【育成キャンセル】パワハラ恐れて部下を放置…どう指導すればいい?AIで解決できる?」として公開されています。

人事の実務者や文筆家、学生など立場の違う出演者が議論しています。

議論の中身は、ぜひ番組でご覧ください。この記事では解説はしません。

出典:ABEMA Prime #アベプラ【公式】(YouTube)「【育成キャンセル】パワハラ恐れて部下を放置…どう指導すればいい?AIで解決できる?|アベプラ」2026年9月26日公開/番組の動画を見る(ABEMA Prime 2026年9月25日放送回より)

どこが引っかかったのか?

引っかかったのは、タイトルにある「放置」という言葉です。

育てる側には、育てる側の事情があるのだと思います。言い方ひとつで関係がこじれることもあるし、忙しさもある。そこを責めるつもりはありません。

ただ、育ててもらう側から見ると、理由がどうであれ起きていることは同じです。誰も何も言ってくれない。間違っていても、合っていても、返ってくるものがない。

そしてもうひとつ。聞く側にも、聞けない事情があります。

「こんなことを聞いたら迷惑かもしれない」
「できない人だと思われたくない」

教える側がためらい、聞く側もためらう。どちらも悪くないのに、気づけば誰も育たない。「育成キャンセル」という言葉は、そんな静かな行き止まりを指しているようにも見えました。

この記事で考えたいのは、ひとつだけです。育ててもらえないとき、人はどこで育つのか。

AGOでは、人はどう育っているのか?

AGOで起きていることを見ると、人が育つ場所には2つのものがそろっています。何度聞いてもいい空気と、つまずいても見捨てない人です。講師と、VOICEに登場するセラピストの方々の言葉から見ていきます。

羽田静菜講師が講座で大切にしていることは?

羽田静菜講師は、理学療法士として医療・介護の現場で経験を重ねてきました。約3年前にAGOに出会い、その1ヶ月後に入校。半年後には理学療法士を退職して、自分のサロンを開いています。

講座では、解剖学・運動学・生理学といった教科書的な知識も交えながら、顎関節や身体の仕組みを伝えています。そのうえで何より大切にしているのが、羽田講師が【人間力】と呼ぶものです。

「自分や相手を思い、その人の人生のために何が必要かを考えること」【人間力】です。

羽田静菜講師

教える内容より先に、「その人の人生のために何が必要か」を考える。育成がキャンセルされる場面の、ちょうど反対側にある考え方だと感じます。羽田講師は、学びに来る方にこうも伝えています。

自分に×をつけるのは、もうやめましょう。今までのすべては、あなたの強みに変わります。

羽田静菜講師

つまずいたとき、支えたのは誰だったのか?

いま「Lip&Grace」のセラピストとして東京都・山形県・宮城県で活動する中庭育江さんは、前職が看護師です。産後半年で育休から復帰したころ、「このまま続けていけるのか」と働き方に不安を抱えていました。

中庭さんは、学ぶ途中の葛藤を隠さずに書いています。

「この年齢になって、まだこんなことと向き合わなきゃいけないの?」と葛藤した日も沢山ありました。

中庭育江さん

それでも続けられた理由を、中庭さんはこう書いています。

何度も躓いて泣いたわたしを、代表や恩師、全国の先輩方や仲間が見捨てずに支え続けてくれました。

中庭育江さん

育つ人は、つまずかない人ではありません。つまずいたときに、そばに誰かがいた人です。

「聞いていい」と思えると、人はどう変わるのか?

愛知県の名古屋駅付近と刈谷市で活動する松村千尋さんは、元はスーパーのレジ担当でした。いくつものスクールを見比べたうえで入校を決めた理由のひとつを、こう書いています。

学びの機会が多いことや、つまずいたときにすぐ聞ける環境があることに安心しました。

松村千尋さん

東京・自由が丘で活動しながらIT事務の仕事も続けている蓮見真子さんは、聞く側として動いた方です。

手技で理解できない部分は講師の先生にしつこいほど質問して、納得するまで練習を重ねました。

蓮見真子さん

蓮見さんは、湯山先生に「やってみたら?」と言われて始めたInstagramでの発信を、いまも続けています。もともと好きだった粘土や絵で体の構造を捉え直すことが、発信につながりました。

しつこいほど聞いても、嫌がられない。聞いたぶんだけ、次の一歩を渡してもらえる。育つ場所とは、教える人がいる場所というより、「聞いていい」と思える場所なのかもしれません。

読んだ人が今日できることは?

今日できることは、ひとつだけです。「本当は聞きたかったこと」を1つ書き出して、1人に聞いてみてください。

相手は、職場の先輩でも、友人でも、家族でもかまいません。仕事のやり方でも、「わたしって何が向いていると思う?」でもいい。大事なのは、答えの中身より、聞いてみたときに返ってくるものです。

  • まっすぐな答えが返ってきたら、そこはまだ、あなたが育てる場所です
  • はぐらかされたり、聞くこと自体をためらってしまったりするなら、それも大切な情報です

育成キャンセルは、職場の問題として語られがちです。でも、その中にいる一人ひとりにとっては、「自分はどこで育つのか」を選び直す問いでもあります。

羽田講師の言葉を借りれば、今までのすべては強みに変わります。うまく育ててもらえなかった時間も、そのひとつです。

参考情報

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