咬筋とは、頬の奥にあり食べ物を噛むときに働く筋肉です。緊張をゆるめるセルフケアでフェイスラインの印象が整う人もいますが、個人差があります。1回1〜2分、強い圧は避けるのが目安で、痛みが続くなら受診を検討してください。
鏡を見るたびに「エラのあたりが張っている」「頬の横が硬い」と感じていませんか。その原因のひとつとして、咬筋(こうきん)の緊張が語られることがあります。
ただし、咬筋をほぐせば誰でも小顔になる、というわけではありません。顔の大きさは骨格や脂肪、むくみなど、いくつもの要素で決まります。咬筋のケアは、あくまでそのうちの一部にアプローチする方法です。
この記事では、咬筋とは何か、自宅でできるやさしいセルフケア、やってはいけないこと、続ける期間の目安までを順に解説します。AGO TOKYO SALONで聞く相談内容も交えてお伝えします。
こんな人に読んでほしい
- 朝起きると、頬の横やこめかみのあたりが重だるい
- 食いしばりの癖があるかもしれず、エラが張って見える
- 強く揉んだほうが効くと思って、毎日ゴリゴリ押している
咬筋をゆるめるセルフケアのやり方は?
咬筋のセルフケアは、「強く押さず、息を止めずに、ゆっくり行う」のが基本です。1回1〜2分、痛気持ちいい手前の強さを目安にします。
咬筋はどこにある?まず場所を確認する
咬筋は、頬骨の下から下あごの角(エラの部分)にかけて斜めに走る筋肉です。奥歯をぐっと噛むと、耳の下からエラにかけて盛り上がる部分が咬筋です。
指を当てて、噛んだときに硬くなる場所を確かめてください。力を抜くと柔らかくなるのが一般的な状態です。力を抜いても硬いままなら、緊張が強いサインのひとつといえます。
手でゆるめる基本の方法は?
基本は、指の腹でやさしく円を描く方法です。手順は次のとおりです。
- 口を軽く開けて、あごの力を抜く
- 人さし指・中指・薬指の腹を、エラの少し上(咬筋の下端)に当てる
- 皮膚を動かすつもりで、小さな円を5回、ゆっくり描く
- 指を頬骨のほうへ少しずつずらし、同じように繰り返す
- 左右を終えたら、口をゆっくり開け閉めして軽さを確かめる
押す強さは、痛みを感じない程度で十分です。効果には個人差があります。
温めてからだとやりやすい?
入浴後や、蒸しタオルで頬を温めたあとは、筋肉がゆるみやすい状態です。ただし、赤みや熱感、腫れがあるときは温めないでください。
口の中からのケアはしていい?
口の中から咬筋をほぐす方法も知られていますが、衛生面や加減の難しさがあるため、自己流はおすすめしません。気になる場合は、歯科医師や専門家にご相談ください。
日常でできる食いしばり対策は?
ほぐすのと同じくらい大切なのは、そもそも筋肉を使いすぎない工夫です。次の3つは、道具がなくても今日から始められます。
- 上下の歯を離す……唇を閉じ、歯は触れさせない。「歯を離す」と書いた付箋をパソコンの端に貼る方法もあります
- 硬い食べ物を続けない……ガムやスルメなど、噛む回数が多いものを毎日続けると筋肉の負担が増えます
- 左右均等に噛む……食事のとき、意識して反対側でも噛む
寝ている間の食いしばりは自分では気づけません。朝のあごの疲れが続くなら、歯科医師にナイトガードの相談をするのもひとつの方法です。
あごまわりの力を抜く簡単な体操は?
口を軽く開けて、あごをだらんと下げ、10秒キープします。その後ゆっくり口を閉じ、上下の歯が触れない位置で止めます。これを3回繰り返します。
痛みが出る場合や、口を開けたときに音がする場合は無理をしないでください。効果の感じ方には個人差があります。
咬筋ケアはどのくらい続ければいい?費用の目安は?
セルフケアなら費用はほぼかからず、続ける期間は2〜4週間を目安に、変化を見ながら判断するのが一般的です。以下は、ケア方法ごとの大まかな目安です。
| 方法 | 頻度 | 費用の目安 |
|---|---|---|
| 手でのセルフケア | 1日1〜2回 | 無料 |
| 温めてゆるめる | 入浴時など | 数百円程度 |
| サロンの施術 | 月1〜2回 | 店舗により異なる |
サロンの料金は店舗や内容によって大きく異なります。また、医療行為に当たる施術は、医師の診察が必要です。クリニックにご相談ください。
どのくらいで変化を感じる?
頬の重だるさが軽くなるなど、感覚の変化は数日〜数週間で出る人もいます。一方、見た目の変化がはっきり出るかどうかは個人差が大きく、変化を感じない人もいます。
変化がないときはどうする?
2〜4週間続けても変化がなければ、原因が咬筋以外にある可能性があります。むくみや姿勢、骨格などを見直してみてください。むくみについては顔のむくみが取れない原因は?朝と夜で違う対処法も参考になります。
やりがちなNG:強く押すほど効くと思っていませんか?
強く押したり、長時間こすったりするのは避けてください。皮膚や筋肉に負担がかかり、赤みや痛み、内出血につながることがあります。
「痛いほうが効いている気がする」という声はよく聞かれますが、痛みはケアの強さの目安にはなりません。強く揉んだあとに頬が余計に張って見えた、という相談もあります。
セルフチェック:あなたの咬筋はどのタイプ?
次の項目で、自分の状態を大まかに確認してみましょう。医学的な診断ではありません。
- 力を抜いても頬の横が硬い……緊張タイプ。やさしいセルフケアと、日中の食いしばり対策が向いています
- 噛んだときだけ盛り上がる……発達タイプ。ほぐしだけで見た目が変わるとは限りません
- 朝だけ重く、日中は軽い……むくみタイプ。咬筋より水分や寝姿勢の見直しが先です
- 口を開けると音や痛みがある……顎関節の不調の可能性。ケアより受診を優先してください
咬筋が張る原因は?
咬筋が張る主な原因は、食いしばりや片噛みなど、日常の癖で筋肉が使われすぎることです。
食いしばりと歯ぎしり
集中しているときや緊張しているとき、無意識に歯を噛みしめている人は少なくありません。厚生労働省のe-ヘルスネットでは、歯ぎしりや食いしばりが歯や顎に負担をかけることが説明されています。詳しくは食いしばりとナイトガード|エラ張り・顔の歪みへの影響をご覧ください。
片噛みの癖
いつも同じ側で噛んでいると、その側の咬筋だけが使われ、左右差の一因になることがあります。顎が右にずれているのは噛み癖が原因?片噛みによる顔の歪みと改善ポイントで、癖の見分け方を紹介しています。
スマホ・パソコン作業中の姿勢
頭が前に出た姿勢が続くと、あごまわりの筋肉が緊張しやすいと考えられています。作業中に、上下の歯が触れていないか時々確認してみてください。歯は食事のとき以外、離れているのが自然な状態です。
ストレスや緊張との関係は?
緊張や不安を感じると、無意識に歯を噛みしめる人がいます。忙しい時期にエラまわりが重くなる、という相談も少なくありません。深呼吸をして肩の力を抜く、寝る前にスマホを置いて目を休めるなど、気持ちをゆるめる習慣も、あごまわりの緊張を減らす助けになると考えられています。
骨格や筋肉の発達による張り
エラの張りは、筋肉だけでなく骨の形によっても決まります。骨格が主な原因の場合、セルフケアでの変化は限られます。エラ全体の考え方はエラが張っている原因は?気になるフェイスラインを整えるエラ張り解消方法でまとめています。
AGO TOKYO SALONで聞く相談の傾向
AGO TOKYO SALONでは、「エラが張っている気がして、毎日強くほぐしている」という相談をよく受けます。お話を伺うと、片側だけで噛む癖や、デスクワーク中の食いしばりが重なっている方が多い印象です。
こうした場合、ほぐす回数を増やすより、まず癖に気づいて減らすことが大切だと考えています。日中に歯が当たっていたら力を抜く、という習慣だけでも、頬の重さが変わったと話される方がいます。感じ方には個人差があります。なお、サロンでの施術は医療行為ではありません。
咬筋を放置するとどうなる?
強い緊張が続くと、頬の重だるさや疲れやすさにつながることがあります。ただし、必ず悪化するわけではありません。
顎関節への負担
咬筋は顎の関節と深く関わっています。日本顎関節学会は、顎関節症の主な症状として、口を開けるときの痛み、開けにくさ、関節の音を挙げています。こうした症状が続く場合は、歯科口腔外科などの受診を検討してください。目安は顎関節症は手遅れになる?放置していい症状と受診の目安で確認できます。
見た目の左右差が気になる場合
噛む癖が長く続くと、左右の筋肉の使い方に差が出て、顔の印象に影響することがあります。ただし、見た目の差には骨格や姿勢も関わります。
こんな後悔の声もある
「強くほぐしすぎて、かえって頬が痛くなった」「効かないからと回数を増やして肌が荒れた」といった相談が見られます。やさしく、短時間で続けることが、結果的に負担が少ない方法です。
小顔矯正との違い
セルフケアで限界を感じた場合に、小顔矯正を考える人もいます。選ぶ前に、小顔矯正を自分で!簡単マッサージで理想のフェイスラインを手に入れる方法や、全体像をまとめた小顔ケアの始め方|タイプ別の原因とセルフケアまとめもご覧ください。
よくある質問
咬筋をほぐすと顔が小さく見えますか?
見え方が変わるとは言い切れません。顔の大きさは骨格・脂肪・むくみなど複数の要素で決まるため、咬筋のケアで印象が変わる人もいれば、変わらない人もいます。個人差があります。
1日に何回やればいいですか?
1日1〜2回、1回1〜2分が目安です。回数を増やしても効果が高まるとは限らず、やりすぎは皮膚への負担になります。
痛いのですが続けてもいいですか?
痛みがあるときは中止してください。強い痛みや口の開けにくさが続く場合は、歯科口腔外科などへご相談ください。
ボトックスとどう違いますか?
ボトックスは医師が行う医療行為で、セルフケアとは別のものです。リスクや適応については、医師の診察が必要です。クリニックにご相談ください。
妊娠中でも行えますか?
体調に不安がある場合は、行う前に医師へご相談ください。無理のない範囲で、ごく軽い力にとどめるのが基本です。
まとめ
咬筋のセルフケアは、強く押さず短時間で、2〜4週間を目安に続けるのが基本です。小顔になると言い切れる方法ではなく、個人差があります。
大切なのは、ほぐす回数よりも食いしばりや片噛みといった癖に気づくことです。痛みや口の開けにくさが続くときは、早めに歯科口腔外科などへご相談ください。

