食いしばりとナイトガード|エラ張り・顔の歪みへの影響

食いしばりとは、上下の歯を強く噛みしめる癖のことです。続くと噛む筋肉が張ってエラが目立ったり、顔の左右差につながったりすることがあります。対策の基本は夜のナイトガードと日中に歯を離す意識で、ナイトガードは歯科医師の診察で作ります。

朝起きたとき、顎がだるい。こめかみが重い。鏡を見ると、エラのあたりが前より角ばって見える。そんな変化に心当たりはありませんか。体重は変わっていないのに、フェイスラインだけががっしりしてきた。その背景に「食いしばり」が隠れていることがあります。

食いしばりのやっかいなところは、本人が気づきにくい点です。寝ている間の食いしばりは自分では分かりません。日中も、パソコン作業やスマホを見ているときに、無意識で奥歯を合わせている人は少なくありません。

この記事では、食いしばりとエラ張り・顔の歪みの関係、ナイトガード(就寝中に歯を守るマウスピース)の役割と費用の目安、原因、放置したときに起こりうることを整理します。変化の出方には個人差があり、痛みや口の開けにくさがある場合は医師・歯科医師の診察が必要です。

こんな人に読んでほしい

  • 朝起きると顎やこめかみがだるく、口を開けるとき違和感がある
  • 以前よりエラが張ってきた気がして、顔が大きく見えるのが気になる
  • 歯医者で「歯がすり減っている」「食いしばっていますね」と言われた
目次

食いしばりはどう対策する?まず何をすればいい?

対策の基本は、夜はナイトガードで歯と顎を守り、日中は上下の歯を離す習慣をつくることです。夜と昼では原因も対処も違うため、両方を分けて考えます。最初の一歩は、自分がいつ食いしばっているかを知ることです。

食いしばりとは?歯ぎしりとの違いは?

食いしばりとは、上下の歯を静かに、強く噛み合わせ続ける動作のことです。歯をこすり合わせてギリギリと音を立てる「歯ぎしり」とは動き方が違います。

厚生労働省の健康情報サイト(e-ヘルスネット)によると、歯をすり合わせる・噛みしめる・カチカチと噛み合わせるといった癖は、まとめて「ブラキシズム」と呼ばれます。食いしばりはその中の「クレンチング」にあたります。音が出ないため、家族にも気づかれにくいのが特徴です。

【セルフチェック】あなたはどのタイプ?

次の表で当てはまる項目が多いほうが、あなたの食いしばりのタイプの目安です。両方に当てはまる人も珍しくありません。

  • 朝に顎がだるい、起床時の頭痛、歯がすり減っている、家族に歯ぎしりを指摘された……夜型(睡眠中)。歯科医院でナイトガードを相談します
  • 作業中に奥歯が触れている、舌の縁に歯の跡がある、夕方に肩や首がこる……昼型(日中)。歯を離す習慣づけと姿勢の見直しから始めます
  • 口が指2本分ほどしか開かない、顎の痛みが続く、カクカク音と痛みがある……受診を優先。歯科医院・口腔外科で医師の診察を受けてください

ナイトガードとは?何を守ってくれるの?

ナイトガードとは、寝ている間に上下どちらかの歯列にかぶせる、樹脂製のマウスピースです。歯科医院で歯型をとって作ります。

役割は、食いしばりの強い力から歯のすり減りや欠けを防ぎ、顎の関節への負担をやわらげることです。日本顎関節学会も、睡眠時の食いしばりによる筋肉の緊張の緩和や顎関節への負荷の軽減を目的に、歯列全体を覆うタイプの装置を紹介しています。ただし、食いしばりそのものを止める装置ではありません。「つければ癖がなくなる」と期待すると、がっかりすることになります。

日中の食いしばりはどうやって減らす?

日中の食いしばりは、「上下の歯が触れていたら離す」を繰り返すことで減らしていきます。日本顎関節学会も、仕事中や休憩中に歯の接触に気づいたら離すことを勧めています。

  • パソコンの画面やスマホの横に「歯を離す」と書いた付箋を貼る
  • 気づいたら、唇は閉じたまま、歯は離し、舌先を上の前歯の裏に軽く置く
  • 1時間に1回、肩を大きく回して深呼吸する

本来、上下の歯が触れているのは食事や会話のときだけで、1日に合計20分ほどともいわれます。何もしていないときに歯が触れているなら、それ自体が負担のサインです。

やりがちなNG:エラを強く揉みほぐす

エラの張りが気になると、咬筋(こうきん:頬の奥にある噛むための筋肉)をぐりぐりと強く押したくなります。しかし、強い力で揉む・叩くのはおすすめできません。筋肉や皮膚に負担がかかり、かえってこわばりや内出血の原因になることがあります。

ほぐすなら、指の腹で軽く円を描く程度で十分です。お風呂上がりなど体が温まったときに、痛気持ちいい手前の力で行いましょう。痛みが出る場合は中止し、歯科医院や医師に相談してください。

AGO TOKYO SALONで多い相談と、現場で見えること

AGO TOKYO SALONでは、「エラが張ってきた」「顔が左右で違う」という相談をよく受けます。お話を聞くと、デスクワークが長い方、スマホを見る時間が長い方がとても多いのが印象です。

施術者として顔に触れると、エラだけでなく、こめかみ(側頭筋)や首の横まで硬くなっている方が少なくありません。頭が前に出た姿勢では、下顎が後ろに引かれ、奥歯を噛みしめやすくなります。そのため、サロンでは顔だけを見るのではなく、首や肩の位置、座り方、利き手側で頬杖をつく癖まで一緒に確認しています。

日常生活では、画面を目の高さに近づけること、同じ側でばかり噛まないことをお伝えしています。なお、歯のすり減りや顎の痛みがある場合は、まず歯科医院での診察をおすすめしています。

ナイトガードの期間と費用の目安は?

ナイトガードの費用は、保険適用なら3割負担で5,000円前後、自費なら1万〜5万円程度が目安です。完成までは型取りから1〜2週間ほどが一般的です。金額は歯科医院、素材、診察や検査の内容によって異なります。

保険は使える?自費との違いは?

歯のすり減りや顎の症状があり、歯科医師が治療として必要と判断した場合は、一般的に保険で作ることができます。見た目を整える目的だけでは保険の対象にならないのが一般的です。

自費のナイトガードは、薄さや素材、上下どちらにつけるかなどを選べる場合があります。つけ心地を重視したい人が選ぶことが多いようです。どちらが合うかは、歯科医院で相談してください。

費用と期間の一覧

項目 目安
保険のナイトガード 5,000円前後(3割負担)
自費のナイトガード 1万〜5万円程度
完成までの期間 1〜2週間程度
作り直しの時期 数年に1回程度
日中の習慣づけ 数週間〜数か月

保険で作る場合は初診料・検査料が別にかかることがあります。自費は素材・厚み・医院によって差が大きく、完成までは型取り、装着、調整という流れが一般的です。すり減りや割れが出たとき、歯の治療を受けたあとは再調整や作り直しを検討します。日中の習慣づけに費用はほぼかかりません。変化には個人差があります。

エラの印象が変わるまでどのくらい?

日中の食いしばりが減り、筋肉のこわばりがやわらぐと、フェイスラインの印象が変わったと感じる人もいます。ただし期間には大きな個人差があり、数か月単位で見るのが現実的です。骨格そのものの形は、習慣の見直しでは変わりません。

市販のマウスピースではだめ?

ドラッグストアなどで売られているマウスピースは、手軽に試せる反面、歯型に合わないことがあります。合わない装置を長く使うと、噛み合わせに違和感が出たり、かえって顎に負担がかかったりすることもあります。続けて使うなら、歯科医院で作るほうが安心です。

食いしばりの原因は?なぜエラ張りや顔の歪みにつながるの?

食いしばりの原因は、ストレス、集中しているときの癖、姿勢、噛み合わせなどが重なっていると考えられています。厚生労働省のe-ヘルスネットでも、ストレスや歯並びが考えられるものの、原因ははっきり分かっていないとされています。

ストレスや集中が関係するのはなぜ?

緊張したときや集中しているとき、人は無意識に体に力を入れます。そのとき奥歯を噛みしめる人は多く、仕事の締め切り前や考えごとが多い時期に、朝の顎のだるさが強くなると感じる人もいます。

姿勢やスマホの見方は関係する?

関係すると考えられます。うつむいて画面を見続けると、頭が前に出て首の前側が引っぱられます。この姿勢では口が閉じにくく、代わりに奥歯を合わせて顎を支えようとしがちです。姿勢と顎の関係はエラが張っている原因は?気になるフェイスラインを整えるエラ張り解消方法でも詳しく解説しています。

なぜ食いしばるとエラが張って見えるの?

咬筋は、使えば使うほど厚くなりやすい筋肉です。毎晩、毎日のように強く噛みしめていると、咬筋が発達し、エラのあたりが外側に張り出して見えることがあります。脂肪が増えたわけではないのに顔が大きく見える、というのはこのためです。

顔の左右差が出るのはなぜ?

いつも同じ側で強く噛む、同じ側で頬杖をつく、横向きで寝るといった偏りがあると、片側の筋肉だけが発達しやすくなります。その結果、フェイスラインや口角の高さに左右差を感じることがあります。噛み癖との関係は顎が右にずれているのは噛み癖が原因?片噛みによる顔の歪みと改善ポイントも参考にしてください。

食いしばりを放置するとどうなる?

放置すると、歯のすり減りや欠け、顎関節症、頭痛や肩こりにつながる可能性があります。厚生労働省のe-ヘルスネットでも、歯ぎしりの習慣化によって顎関節症や顔面痛、筋肉の緊張による頭痛・肩こりが起こる可能性が示されています。

歯や歯ぐきにはどんな影響がある?

強い力がかかり続けると、歯がすり減ったり、欠けたり、詰め物が外れやすくなったりすることがあります。冷たいものがしみる知覚過敏や、歯周病を悪化させる要因になるとも考えられています。

顎関節症になることはある?

あります。顎の関節や周りの筋肉に負担がかかり続けると、口を開けると痛い、音が鳴る、大きく開かないといった症状が出ることがあります。気になる症状がある人は顎関節症を放置すると手遅れになる?症状を悪化させるNG習慣と対処法もあわせて読んでみてください。症状が続く場合は、歯科医院や口腔外科で医師の診察を受けましょう。

後悔しやすいのはどんなケース?

よく聞かれるのが、「エラの張りは骨格のせいだと思いこみ、食いしばりに気づかなかった」という声です。見た目だけを何とかしようとして、強いマッサージや費用のかかる施術を重ねたものの、日中の噛みしめが続いていて元に戻ってしまった、と感じる人もいます。

また、ナイトガードを作ったのに違和感で数日でやめてしまい、数年後に歯が欠けて治療が必要になった、という相談も少なくありません。違和感があるときは使うのをやめる前に、歯科医院で調整してもらうことが大切です。

よくある質問

ナイトガードをつけるとエラは小さくなる?

ナイトガードは歯と顎を守るための装置で、エラを小さくする目的のものではありません。食いしばりの負担が減ることで筋肉のこわばりがやわらぐ人もいますが、見た目の変化には個人差があります。

ナイトガードは毎晩つけないといけない?

歯科医師から指示がある場合は、基本的に毎晩つけるのが目安です。つけない日があると、その夜の歯や顎への負担は防げません。つけ方や期間は、作った歯科医院の指示に従ってください。

食いしばりはやめられる?

日中の食いしばりは、歯を離す習慣づけで減らせることがあります。睡眠中の食いしばりは自分の意思ではコントロールしにくいため、ナイトガードで負担を減らしながら、ストレスや睡眠の質を見直すのが現実的です。

エラボトックスと何が違うの?

エラボトックスは、医師が咬筋に薬剤を注射して筋肉の働きを弱める医療行為です。ナイトガードや日中の習慣づけとは目的も方法も異なります。検討する場合は、医師の診察を受け、リスクや費用の説明を受けたうえで判断してください。

まとめ

食いしばりは、上下の歯を強く噛みしめ続ける癖です。続くと咬筋が発達してエラが張って見えたり、顔の左右差につながったりすることがあります。夜はナイトガード、昼は歯を離す習慣。この2つを分けて考えるのが対策の基本です。

ナイトガードは保険なら5,000円前後が目安で、歯と顎を守るための装置です。食いしばりそのものを止めるものではないことを知っておきましょう。まずは今日、作業中に自分の奥歯が触れていないか確かめてみてください。顎の痛みや口の開けにくさがあるときは、自己判断せず歯科医院で診察を受けてください。

参考情報

施術の前と後
施術の前と後

顎と、顔の下半分は、手で変えられます。

AGOメソッド®『Butterfly touch』は、道具も機械も使わず、手だけで顎関節と顔の下半分を整える技術です。施術は全国のセラピストが行っています。お住まいの地域から探して、そのままお問い合わせいただけます。

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写真はご本人の許可を得て掲載しています。変化の出方には個人差があります。

この記事を書いた人

「小顔整顔専門サロン AGO TOKYO SALON」代表。オールハンドで顔の印象を整えるAGOメソッド®を開発。女性の経済的・時間的自由を実現するセラピストスクールは450名以上が受講。

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